お笑い芸人を辞めて約20年。介護の世界に飛び込んで約14年。私は、自分の経験は無駄にしたくないという思いが強く、「笑い」を何かに活かせないかとずっと模索してきました。そんな私がたどり着いたのが、ご利用者様向けの体操に笑いを盛り込むこと(以下、お笑い体操)でした。これを始めたのが約12年ほど前でしょうか。
このお笑い体操が昨年、一つの成果を得ることができました。
現在出向中の有料老人ホームの入居者様で、トイレ頻回の方がいらっしゃいました。その方は、日中は一度トイレへ行っても5分後にまたトイレへ行きたくなり、就寝時間から起床時間までは実に20回近くの尿意がありました。
私はそのご様子を知ってはいましたが、特にそれをどうにかしようとは思わず、機を見てお笑い体操を様々な入居者様へ提供していました。
ある日、仲の良いスタッフさんが教えてくれました。私のお笑い体操に参加なさった日は、トイレ頻回の入居者様の、夜のトイレ回数が必ず激減しているとのこと。その数、僅か5回。体操を提供したことで1/4近くもトイレ回数を減らせたことは、私にとっても驚きでしたし、大きな自信にも繋がりました。
芸人をしていた頃はまともに笑いを取れなかった自分が、今こうしてご高齢の方々から笑いを取ってお役に立てていること。そのことが本当に何物にも代えがたい喜びとなりました。
今だから言えることですが、自分の可能性を信じ「できる!」から始めたからこそ、ここへ到達できたのだ、と強く感じています。
70代以上の高齢者が一日に笑う回数は、僅か2回と言われています。
私が携わった方々が人生の幕を下ろすその日まで、私は微力ながらも、一日に笑う回数を少しでも増やすお手伝いを今後もしたいと考えております。
