障害当事者として「私が旗をあげないと」。ビューティージャパンに挑む一人の社員と、彼女を支える企業のリアル

今回は、ユースタイルラボラトリー(以下、ユースタイル)の大畑社長、広報担当者、そして「ビューティージャパン2025 東京大会」にファイナリストとして挑戦した障害者雇用社員の半田さんによる鼎談をお届けします。

9歳の時にくも膜下出血を発病し、二度の再発を経て左片麻痺の障害を負った半田さんの挑戦を軸に、ユースタイルが考える障害者雇用や働き方、そして未来への展望について話しました。
※インタビューは東京大会前に行ったものです。

鼎談メンバー

  • 大畑 (おおはた ): ユースタイルラボラトリー株式会社 代表取締役社長
  • 半田 さん: 労務部門社員。「ビューティージャパン2025 東京大会」ファイナリスト
  • 広報担当: インタビュアー

「一緒に頑張ろうよ!」と発信したい—ビューティージャパンへの挑戦

広報: 本日はお集まりいただきありがとうございます。早速ですが半田さん、今回エントリーされている「ビューティージャパン」とは、どのような趣旨のイベントなのでしょうか?

半田: 日本の女性が社会に貢献するために、様々な分野で頑張る姿を発信する大会です。私もその一人として、挑戦することにしました。

広報: 半田さんは、どんなことを発信されようとしているのですか。

半田: 私は障害者として、心に病を抱えていたり、社会に出ることに困難を感じている人たちに「一緒に頑張ろうよ」と寄り添い、社会貢献に繋げていきたいと考えています。そのためのサポートをしていきたい、という私自身の思いを発信していきたいです。

大畑: いいですね。

社長が車椅子を乗り回す!?ユニークな出会い

大畑: 僕、半田さんとは入社面接の日が初対面ですよね。車椅子で来社されて。

半田: はい、そうです。

大畑: その日、僕と田中さん(半田さんが所属する労務部門の部長)で、半田さんの車椅子を借りて社内を一周したんですよ。

広報: 面接に来た方の車椅子でですか!?それまで車椅子に乗ったことはあったんですか?

大畑: なかったです。面白そうだったので乗ってみたんです。

半田: 面接に来たら、いきなり社長が出てきて。…って、後から社長だと知ったんですけどね(笑)。紹介されていなかったので。面白い会社だなと思いました。

広報: ユースタイルラボラトリーにはいつ頃入社されたんですか?

半田: 一昨年の4月です。労務部門に所属しています。

広報: なぜユースタイルを選んだのですか?

半田: いくつか面接を受けましたが、ここの社風が他社とは全く違っていて。「いいな」と思いました。障害を持つ人たちに対してフラットというか。

大畑: まず車椅子に乗ってみる社長なんて、他にはいないでしょうね(笑)。でも、僕は実はそんなに優しくないですよ。「働け!」って言いますから。

半田: はい、その通りです(笑)。でも、逆にそうやって仕事を任せてもらえるのが嬉しいし、ありがたいと思っています。


「合理的配慮はする。でも特別扱いはしない」障害のあるメンバーの活躍

大畑: 世間一般の話として、障害者雇用の実態を見ると、まだまだ課題は多いと感じます。障害者向けの事業を展開する会社でさえ、障害のある社員の割合が低いという現実もあります。うちの会社も介護職のスタッフが多い特性上、障害のある方が働きやすい環境を整えるのは簡単ではありません。

広報: でも、大畑社長直下の「社長室」チームは障害のあるメンバーの割合が高いそうですね。

大畑: そうですね、社長室のチームメンバーの半分以上かな。でもそれは、僕が「結果を出してくれれば何でもいい」と思っているからです。「合理的配慮はするけど、合理的配慮しかしない」というのが僕のスタンス。

半田: それが一番正しいと思います。腫れ物に触るように「何かできないことはありますか?」と聞かれるのが一番嫌で。普通に、みんなと同じように接してほしいんです。

オフィスで会話を交わす障害者雇用社員の女性と男性。女性は車椅子に座っていて、男性は立っています。背景にはデスクや資料が並んでいる。

大畑: みんなと同じように、たくさん働いてほしい(笑)。

半田: はい。でも、頑張りすぎないようにはしないと、と思っています。

大畑: それは障害関係なく、みんな同じですね。

常勤スタッフ3000人超の健康診断を支える仕事

オフィスでパソコンの前に座っている女性。彼女はストライプのシャツを着ており、ニコニコと微笑んでいる。デスクには複数のモニターと書類が置かれている。

広報: 半田さんは現在、労務部門でどのようなお仕事をされているのですか?

半田: 主に社員の健康診断の管理など、事務の仕事をしています。

大畑: うちの会社の健康診断手配って、めちゃくちゃ大変なんですよ。常勤の社員が3000人以上いて、日本全国にいるでしょ。しかも夜勤がある社員は年に2回受診しないといけない。

広報: 年間で6000回以上の手配になるんですね…!

大畑: そうなんです。北海道から沖縄まで、オンラインで予約できない病院もたくさんある。昔、社員が30人くらいの頃は僕がやっていたんですが、本当に大変で…。

半田: 私は紙ベースの資料をスキャンして、データで管理できるように整理したりしています。

大畑: 社員が予約を無断キャンセルすることもあって、病院からお叱りを受けることもあるんです。あれは本当に良くない。

半田: シフトの都合でなかなか日程が組めないという事情もあるみたいで…。上司がうまく調整してくれたらいいのに、と愚痴をこぼす声も聞こえてきますね(笑)。


「いつか起業したい」挑戦の裏側と、未来へのビジョン

広報: 毎日のお仕事に加えて、通勤も大変なのでは?

半田: 武蔵野市から1時間くらいかけて通っています。中央線は混雑がすごいので、始発駅の三鷹までバスで行って、そこから総武線に乗る、という工夫をしています。駅では毎日駅員さんに手伝っていただいています。

車椅子に乗っている女性が微笑んでいる様子。淡い色のシャツを着ており、周囲にはオフィスの壁が見える。

広報: そんな忙しい中で、ビューティージャパンに挑戦しようと思ったきっかけは何だったのですか?

半田: 8年くらい前から、自分で事業を起こしたいという思いがありました。なかなか行動に移せなかったので、自分を奮い立たせるために去年チャレンジしたのですが、少し準備不足で…。今年こそは、とリベンジの気持ちで臨んでいます。

広報: どのような事業を構想されているのですか?

半田: 厚生労働省が実施しているような、障害を持つ方々のためのセミナーや能力向上のプロジェクトに関わっていきたいです。まずは当事者の一人として、他の人と連携しながら発信していくことから始めたいと思っています。私の活動を知ってもらうことで、障害について知られていない多くのことを伝えていきたい。「私が旗をあげないと」という気持ちです。

広報: 大会はもうすぐですね。選考はどのように行われるのですか?

半田: まず8月10日の東京大会で、全員が1分間のスピーチをします。そこで選ばれた人が、4分間のプレゼンテーションに進むことができます。

広報: 1分で興味を惹きつけなければいけないんですね。

半田: はい。まずは私の生き方やあり方を伝え、4分のプレゼンでは事業への思いを語りたいと考えています。まだ原稿が固まっていなくて焦っていますが(笑)、頑張ります。

広報: 応援しています!本日は貴重なお話をありがとうございました。

一同: ありがとうございました!


後日開催されたビューティージャパン2025東京大会では、惜しくも受賞はなりませんでしたが、半田さんの前向きな姿勢と、目標に向かってひたむきに努力される姿は、たくさんの人を大きく勇気づけました。

お住まいの武蔵野市では、武蔵野市長にも表敬訪問し、暮らしやすい地域社会について意見交換ができたという半田さん。一つの挑戦をきっかけに、人との繋がりや活動の輪はどんどん広がっていきます。

いかがでしたでしょうか。

ユースタイルラボラトリーは、その人の特色やライフステージ・キャリア志向にあわせて、組織内の異動や働き方の相談ができ、柔軟に職種や働き方が選びやすい組織です。

大畑社長が鼎談内で話していた通り、ちゃんと仕事をしてくれれば、働き方やプライベートとのバランスは個人の裁量にまかせるよ、という組織カルチャーです。

それは、私たちのビジョンである「だれもが互いの可能性を信じ、 自分らしく生きられる社会。」を実現するため。障害の有無や、年齢・地域・環境に関わらず、その人がその人らしい生き方を選べることが大切だと考えています。

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