私は昨年11月に入社しました。いくつかの現場の研修が入り、日々、緊張とやり甲斐、プレッシャーと希望を抱えながら奮闘していました。そして12月に新たな研修が加わり、その研修で指導して下さった非常勤のAさんとの体験をお話ししたいと思います。
数十年前の交通事故で腰から下半身が損傷し喀痰吸引の医的ケアもある70代女性の現場でした。週3回の夜勤に以前から非常勤のAさんが専属で支援に入っていて、私はバックアップとして研修に入りました。
研修初日、Aさんと支援開始時間の20分前に待ち合わせをしてお互いの自己紹介とご利用者K様のご様子や関わり方について説明を受けました。
Aさんをひと目見るなり仕事に厳しく妥協しない、強い信念を持って携わっている方なんだろうなと感じました。やはり彼女は看護師歴30年以上、指導者の経験もある大ベテランの方でした。(これは肝を据えてかからないと!この人に認めてもらうには根性が必要だぞ!)と思ったのでした。
研修初日はメモを取りながら介助を見学しました。一つ一つの介助の手技が丁寧で手際良く、所作や触れる手からK様に対する気持ちが溢れていました。K様の協力動作も頂き、呼吸を合わせながらの動きは深い信頼関係を窺い知れるものでした。ご利用者様と介助者の素晴らしい理想的な形、到達点を目の当たりにした感じでした。
その日は「身を預けて下さるご利用者様に感謝して介護介入を磨いて下さい。」とアドバイス頂きました。
研修2回目は動画撮影するようにAさんに言われました。私の為にK様から許可を頂いて下さったのです。(そこまでしてくださるなんて!)とても有り難かったです。CNからは4.5回の研修で独り立ちするように期限を言われていましたし、一連の介助の一挙手一投足をどう身につければよいかとても困難に思えていましたから動画がお手本としてあることは復習出来るので本当に心強かったです。
Aさんの後で私が振り返りが出来る様にとの配慮でした。そしてK様のご理解とご協力があってのことでした。本当に感謝です。何としてもK様、Aさんのお気持ちに応えたい。結果を出さなければ。必ずやり遂げる。覚えきってみせる。心に熱いものが込み上げてきました。Aさんに「役立つ為、上手くやるよりもK様が安心である介入を意識して」とアドバイスを頂きました。
そして研修3回目、昨日、動画撮影してどこまで出来るか、時間の限り自宅で動画を見てから支援に入りました。タイムスケジュールは頭に入っているものの作業手順間違いや次に何をするのか思考しながらの介助でした。まだ手や体がスムーズに動けませんでした。
K様の状態確認と気遣いながらのケアも出来ませんでした。Aさんからは「ケア上達の為のK様の全身的協力に感謝しつつ、安心提供となるよう意識して介入して下さい。シーツ、バスタオル、シワ伸ばし方、オムツ、寝衣の心地よさ等、練習しかありません」とアドバイス。
それから研修4回目、もうこれで最終研修だと自分に言い聞かせて何度も動画を視聴して支援に臨みました。何が必要かが理解出来ると手や体が動き、介助することに集中すると緊張がなくなりました。K様のペースや丁度良い角度、間、心地良さなどを鑑みて行うことが技量であると実感しました。また、常日頃からのご利用者様に対する向き合い方、精神が手技に現れると感じました。研修を終えてAさんに「全体的流れを把握して提供が出来ていたと思う。どのケースでもご利用者様ファースト。」と研修合格を頂きました。
とっても嬉しかったです。こんなに頑張れた自分が嬉しかったです。嬉しくて自然に涙が溢れました。達成感を感じたのです。
・・・ここで話は終わらないのです。
私はバックアップメンバーなのでしばらくはK様宅に来ることはないだろうと思って「Aさんが海外旅行に行く時に来ます!」と冗談を言っていましたら、それから程なくAさんが体調不良でK様の支援に入れなくなったのです。なんてことでしょう。早目にに独り立ちして良かったと思いました。Aさんの代役として支援に入ることになったのです。今度は本当に1人。真価が問われる時です。
支援の日の朝、Aさんからメールが届きました「おはようございます。すみません。どうぞよろしくお願いします。独り立ちして初ですが、K様に教わりながらケアして下さい。ごめんなさい。」あんなに厳しかったAさんがなんと気弱な感じで驚きました。
そしてまた家を出発する前にも「何か心配なこと、不安なことがありましたら連絡して下さいね。相談に乗れるよう携帯は枕元にありますので・・」とメールが。体調が悪いにもかかわらず、私のことを気にかけて下さって、またしても涙が溢れてしまいました。
Aさんの代わりにしっかりやらなければ。
無事に夜勤の支援を務めました。
「Aさんにご指導して頂いてお粗末な支援は出来ませんから、大丈夫でした。」とAさんへ報告した時は自分が誇らしかったです。
日々、真剣勝負の気持ちで支援に入っています。この研修で「〜させて頂く」感謝の気持ちを持って介助する心を学ばせて頂きました。
