今年2月に第一子(長男)が産まれる予定がありました。予定日前後はお休みを頂きいつでも出産の立ち会いができるよう配慮を頂いておりました。
しかし、予定日になっても陣痛は来ず、奥さんも焦っていました。
陣痛がくるジンクスを試してみたり、毎日散歩をしたりしましたが陣痛はなかなか来ず。
出産予定日から3日後は支援に入る予定でした。
そこで利用者さま(高齢男性)、ご家族(奥様、娘様)に事情を説明したところ利用者さま本人から「わしのところはええから、立ち会いに行きなさい」と言葉をかけてくれました。
ご家族からも「家庭を優先してください。本人の介護は私たちで何とかします。」と言葉を頂きました。
利用者さまはALSで気切をあけ、寝たきりの方になります。コミュニケーション方法は口パクで伝えてくれます。
普段の介護員とのコミュニケーションは短い言葉で伝えてくれます。「痰とって」「おしり、痛い」「くび、痛い」「ばあさん、呼んで」などです。
発語ができないこともあってコミュニケーションは簡素な形式でした。日頃の表情も真顔が多く、口パクが読み取れないときはしかめっ面や怒って早口になっていました。
立ち会いに行きなさいとお言葉を頂いて、私は支援を空けての出産立ち会いをすることを決めました。
2月23日予定日から2日遅れての陣痛がきました。
2月24日2時4分に無事子供は産まれました。
私は奥さん、子供に感謝はもちろんですが「立ち会いに行きなさい」と言葉をくださった利用者さま、ご家族の顔が浮かび感謝の気持ちでいっぱいでした。
翌日母子ともに落ち着いたので利用者さまの支援に入りました。
支援に入るとすぐに利用者さま本人から「赤ちゃんどうじゃった?奥さんは大丈夫か?」と言葉をかけてくれました。
子供の写真を見せて無事なことを伝えると我が子のように喜んでくれました。
「おめでとう」「かわいいなぁ」「よかった、よかった」と満面の笑みを見せてくれました。
私は先日支援を空けて立ち会いに行けたことに感謝の意を伝えました。
すると、利用者さまは首を振って「いいんよ」と仰っていました。
ご家族からも「おめでとうございます」「お父さん頑張って」と言葉を頂きました。
その後からの支援は利用者さま本人から「名前どうするの?」「父親似か?母親似か?」「母乳やミルクは飲めとるか?」とたくさん言葉をかけてくれます。
支援に入ったとき挨拶すると今までだと頷くのみでしたが「よろしく」と笑顔で口が動いています。
何度も支援に入っていて口パクに対して慣れはありますが今までよりも分かるようになりました。表情も柔らかくなって利用者さまの意図が読み取りやすくなったと感じます。
私が支援に入った際、子供の写真や動画を利用者さまに見てもらうようにしています。
少しでも利用者さまの生活にメリハリがついて、幸せな気持ちを共有できて、ニーズでもある1日でも長く家での生活がしたいという想いを今後も支援していけたらと思っています。
