私の働いているGHには、重度の知的障害のある方がいます。人見知り、でも慣れると『ここ、見て』と椅子を持ってきてはダンスを見せてくれるとても可愛い方です。ですが反面、自分の欲求が満たされない時など他害行為をしてしまう所があり、機嫌の悪い時は前に立たないように言われていました。
ある日の通所帰り、その方はとても機嫌が悪く荒れた様子で帰所しました。どうやら、いつも見てくれる職員さんが新しく入った方にかかりきりになり、自分の方へ注目が向かなかった事が原因の様でした。その日は支援員の入浴は危険と判断され、管理責任者がその方を入浴させていました。食事も居室対応。
夜勤入りの私でしたが、ほとんど触れ合う事なく夜は更けていきました。早朝、トイレに目が覚めたその方が起きてきて、リビングで『めし』と言って突っ伏してしまいました。私は『ご飯を出すにはまだ早すぎるので、先にバイタルだけ測りましょう』と言いました。突っ伏したまま、顔を背けるのがわかります。
昨日の通所先でのその方の気持ちを考えると、寂しい気持ちが私の胸に響いてきました。
『昨日はきっと寂しかったんだよね。でも大丈夫、私はあなたが大好きだよ』
『大好きよ』自然と言葉が出ました。その方の顔がフッと上がって、こちらを向きました。『バイタル、測らせてもらえますか?』その方は何も言わず腕を出しました。『わたしはあなたが大好きよ。それは絶対変わらないから安心してね』他害行為なく、バイタルを測り終え、朝食の時間まで待っていただき、1番に朝食をお出ししました。
それからです。その方の私に対する態度が少しずつ変わってきました。笑顔が増え、言葉掛けにも穏やかに『うん』と言ってくれる回数も増えました。
わかって欲しい気持ち、かけてもらいたい言葉、時に障害のある方はそれが伝えられない時がある。私達はいかにそれを汲み取れるか、いつも考えています。
まだまだ半人前以下の私ですが、これからも利用者様の気持ちに寄り添った支援ができる様に頑張っていきたいです。
利用者様からもらえる笑顔がわたしの宝物です。
