重訪愛知 くろみさんからのエピソード

私が担当している利用者様は、車椅子になってから外出の機会が減り、自宅で過ごす時間が増えていました。行きたい場所ややりたいことがあっても、移動や介助の大変さから「自分にはもう難しい」と、どこかで諦めてしまっているように感じました。

そんなある日、これまでの思い出をお話ししてくださる中で、「本当はまた遊園地に行ってみたいんだよね。」と、本音を打ち明けてくださいました。けれど同時に、「車椅子だし、移乗も大変だから無理だよね。」と、すぐに自分の言葉を打ち消すように笑っていたのがとても印象に残っています。

その言葉を聞いたとき、私は「できない」と決めつけて楽しみを諦めてほしくない、できることならその願いを叶えたいと強く思いました。そこで利用者様のお母様にもご相談したところ、「一緒に挑戦してみましょう!」と快く協力してくださいました。

当日は、移乗のサポートなど大変な場面もありましたが、ご家族と一緒に工夫しながら、ついに念願だったアトラクションに乗ることができました。遊園地で10年以上ぶりに乗るアトラクション。風を感じながら笑っている利用者様の姿と、そのときに見せてくださった心からの笑顔は、今でも忘れることができません。

その経験を通して、私は改めて、介護の仕事は「できないことを支える」だけではなく、「できることや、やりたいことを増やしていく」仕事なのだと感じました。車椅子であっても、行きたい場所に行き、やりたいことを叶えながら、その人らしく自由に過ごしてほしい。そのために、1人では難しいことを少しだけお手伝いすることで、人生をより豊かにするお手伝いができるのだと思います。

障害があることで、辛いことや諦めなければならないこともあるかもしれません。それでも、私たちが関わることで、少しでも楽しい時間や幸せな瞬間が増えていくのなら。その瞬間に立ち会えることこそが、この仕事をしていて本当に良かったと思える、何よりの喜びだと思います。